耳から「心」を読む - サラブレッドに「心」はあるか
さて、このブログは馬主日記ですが、もともとの馬主になった動機の一つに馬主の気持ちを理解して、もっと馬券に活かしたいという単純な動機です。
で、馬主になったからといって、馬券が上手くなったかといえば、微妙ですね。やっぱり、下手にこの人に勝ってほしい、この馬に勝ってってほしいという「バイアス」が、かえってフェアな予想にならないのかもしれないです、ま、フェアという点であれば、コンピュータ、最近だと人工知能に任せるのが一番かもしれないですね。
とはいうものの、できるだけ「バイアス」を排除するには、もうちょっと馬のことを知るべきしょうということで、いろいろ勉強しています。ま、馬と会話できるのは、どんなに技術が進歩してもまだまだ先でしょうね。人間同士の会話はGoogle Translateのような翻訳こんにゃくも実用的になりつつありますが。
で、この本「サラブレッドに「心」はあるか」、馬博士こと楠瀬良先生の著書です。タイトルの通り競走馬の心はどこまで解明されたか。これまでの連載をもとにまとめた一冊です。いろいろ勉強になる点がありました。全部はまとめられないのですが、勉強になった点はパドック。
まあ、パドックは難しいですよね、何をみれば勝馬を予測できるか、たくさんの要素があるので、それこそ馬の心を知りたいものです。で、この本にはたくさんのヒントがあります。
パドックで何を見るか?
見るべきポイントの一つは、耳と指摘します。
馬の気分は、頭部であれば耳、目、鼻、口に表れます。とりわけ馬の耳は感情が最もストレートに表出される器官と言えます。耳の動きはウマの心理状態を知る大きな手掛かりとなるのです。
では、耳のどこに注目すればよいのでしょうか?
人間とちがって馬は、左右の耳を別々にくるくる動かすことで音から周囲の環境を探索します。馬を初めての場所に連れて行くと、この動きはいっそう激しくなります。何か自分の身に危険がおよぶことがないか、周囲を探索しているのです。
転じてこうした耳の動きは、不安感を示す指標となります。パドックで落ち着いた馬が多い中、一頭だけ左右の耳をしきりに動かしている馬を見つけたらチェックしておく必要があるでしょう。その馬は競馬場特有の雰囲気に呑まれ、不安を感じ、これから始まる競馬に集中しきれていない可能性があるからです。
まあ、これがあたってるかどうかは何とも言えませんが、一つの評価尺度になりますよね。
サラブレッドに「心」はあるか (中公新書ラクレ) | |
楠瀬 良
中央公論新社 2018-04-09 |