2020年11月29日 私は、そこにいた ~I was there …
もう二度とこんな素晴らしいメンバーでのレースは観ることはできないかもしれない、2020年11月29日 第40回ジャパンカップはそんなレースでした。私は、そこにいた ~ I was there.. このレースを伝えることが、そこにいた私の役割と思いました。
なぜ、私はそこにいたのか?
2020年は、50年先、100年先から振り返っても、忘れられない年だっと思います。私も2020年1月のはじめ、米国ラスベガスからの出張帰り、中国で新型コロナウィルスが流行しているので注意すべしという喚起がありました。そして、2月、中国武漢から広まった新型コロナウィルスは、瞬く間に世界中に感染、日本でも4月には緊急事態宣言が発令され、日常生活が大きく変わりました。
中央競馬もその例外でなく、感染拡大防止の観点から春は無観客競馬を実施、秋から、段階的に指定席で観客を入れる方式に変更。ただし、人数に制限があり、とくに数万人を動員するG1レースでは、なかなか指定席の抽選は当たらないと言います。
なぜ、私はそこにいたのか? 11月29日、東京3R・芝2000m戦に共有馬リズムオブザナイト(代表馬主:吉田照哉氏 社台グループオーナーズ)が出走、共有馬の出走の場合、馬主は入場が許されており、11月29日、私はそこにいることができました。残念ながら、リズムオブザナイトは7位と勝利はなりませんでしたが、次に期待したいと思います。
私の夢 コントレイル
本来、馬主は自分の馬が出走しているレースが終わったら、サッサと帰るべきかもしれません。でも、この日は、違いました。やはり、今回のジャパンカップは、そう思わせるものがありました。
コロナ禍ながらも、中央競馬は経営の基本方針である「JRAは、毎週走り続けます」の通り、毎週走り続けました。もちろん、JRAも感染拡大のリスクは重々承知していたと思います、でも、毎週走り続けました。
そして、3歳のクラシック戦線では、牡馬はコントレイルが3冠、牝馬はデアリングタクトが3冠という歴史的な快挙を成し遂げました。そして、その3冠馬にG18勝という誰も成し遂げなかった金字塔を打ち立てた三冠馬アーモンドアイ、そして、それが引退レース、まさに夢のレースでした。
そんな夢のレースのなかでの私の夢は、コントレイル。10月の菊花賞では2着馬アリストテレスに辛勝、なんとか3冠を達成しましたが、本当にコントレイルは強いのか?そんな疑問府もつけられました。
ただ、コントレイルの父、ディープインパクトは、普通に走れば大差をつけて勝てるものの、併せ馬になると、その馬に併せて、まるで計算したかのように勝ったと聞いたことがあります。偉大な父の遺伝子を受け継いだコントレイルも菊花賞は併せ馬のつもりで勝ったのでは、そして、唯一アーモンドアイを府中で打ち負かすことができる馬だと思いました。
11月29日 15:46
11月29日 15時40分 限られた観客ながらもファンファーレにあわせて拍手でジャパンカップが開幕しました。ゲート入りでは、唯一の外国招聘馬であるウェイトゥパリスがうるさがり、なかなかゲート入りしません、鞍上のミルコ・デムーロ騎手も一旦降りて、スタッフ総出でゲート入りを促し、何とかゲート入り、15:46 ゲートが開きました。
ゲートを出た瞬間、コントレイルも悪くないスタートだと思いました。ただ、一頭、狙ったかのように逃げ出したのがキセキ、1コーナーから大逃げを打ち、1000mは57.9秒とキセキが一頭ハイペース、この勢いが3コーナー、4コーナーも続き、後続に15馬身差をつけて、あわや、キセキが奇跡、そんな結末になるかとも思いました。
ただ、やはり、4コーナーあとの府中の直線は長く、傾斜もあり、タフな馬場です。そこで、キセキのペースダウンを見逃さずに飛び出してきたのが、アーモンドアイ。おそらくルメール騎手は、この馬であれば、最後は伸びると確信していたのでしょうね。アーモンドアイはラストランで完璧な有終の美を飾りました、私もゴールの瞬間、自然と泣けてきました。
夢破れて I dreamed a dream
結果的に、私の夢 コントレイルの夢は破れました。でも、全く悔いはありません。こんな素晴らしいレースが私が生きているうちに目の当たりにできたこと、誇りに思います。生涯忘れることはないでしょう。
そして、コントレイルには And still I dream he’d come to me、それでも私は彼が来ることを夢見ています。そして、私の夢は、私の愛馬がジャパンカップに出走すること、コントレイルの次の新しい夢ができました。
最後にJRAの皆さま、陣営の皆さま、本当に感謝しています。コロナ禍で塞いでいるなか、本当に良い夢を見させていただきました、ありがとうございました!