JRAにみる「働き方改革」
昨今、働き方改革というキーワードが頻繁に耳にするようになりました。まあ、工場勤務であれば所定の時間労働して、それで終わらなかったら残業、これはわかりますが、ソフトウェア開発、サービス規格・提供といった業種では8時間会社で労働したからといって、そのリターンが見込めるわけでもなく、リモートワーク、副業解禁など新しい働き方があってよいと思います。
こうした働き方という点で、JRAという組織は興味深いです。自分は17年に馬主資格申請をしたこともあり、JRAに何度か訪問しましたが、JRAは少ない人数で効率的に組織を回しているというのが自分の印象です。ま、これは当たり前といえば当たり前で、JRAは、中央競馬を通じて国庫納付金を増やすことが事業の一つであり、コストを最小化するためにも最小限の人数でオペレーションすることが求められているのでしょう。
この最小限の人数でオペレーションするためのアプローチが、一人二役です。
JRAの採用ページにもあるように、JRAでは、通常業務と開催業務、一人二役をこなします。たとえば、平日は経理を担当していても、週末となれば競馬場で検量など開催にかかわる業務にかかわる。競馬開催は原則週末・祝日なので、そのためにスタッフを抱えるのではなく、通常業務と開催業務を一人でこなすことで効率的に業務をこなすという考え方です。
実際、これはデータをみても明らかで、JRAの平成28年事業報告書によると、職員あたりの売上、売得金額/職員数は、15.2億円、東洋経済のデータによると一人あたり最も売上が大きいアルデプロを上回る水準です。
JRAの場合、平日と開催がはっきり分かれているので、一人二役がやりやすい点もあるかもしれないです。でも、普通の会社でも、JRAとはいかないまでも、複数の仕事をシェアするという仕組みはあってもいいかなと思います。