一口クラブと種牡馬

 社台グループの会報誌「Thoroughbred」12月号で吉田照哉さんの巻頭言になるほどと思いました。

 それはこう始まります。

いい種牡馬が手に入ったらクラブを立ち上げよう、吉田善哉はつねづね口にしていました。そして各地で産駒が高評価をうけ、ノーザンテーストへの自信が確信にかわろうとしたときに設立されたのが社台サラブレッドクラブです。1980年のことでした。

 たった2行ですが、いろいろ思うことがありました。40年前の話ですが、温故知新ですね。自分は社台以外にもいくつかのクラブに出資した経験もありますが、結果はいまひとつでした。やはり、その要因の一つが、「種牡馬」だと思います。たしかに、繁殖牝馬も重要ですが、それ以上に、日本の馬場に適合し、かつ、繁殖牝馬と相性の良い「種牡馬」、これは強調してもしきれないくらい大事なポイントかと。まあ、タラレバですが、ロードカナロア、キタサンブラック、社台スタリオンではなく、クラブ専用種牡馬にしたら、また、違う世界になったかもしれないですね。

 キャロットのように「Our Blood」というコンセプトのもとに繁殖牝馬にフォーカスするクラブもアリですが、やはり、それはノーザンファーム・社台スタリオンというバックがあるから成立する気もします。逆に、社台以外のクラブは、やはり、この「種牡馬」が差別化できていない気もします。

 だいぶ前の話ですが、宮本輝「優駿」も主人公の一人である和具平八郎が会社をリタイアしてクラブを立ち上げようとした動機も愛馬オラシオンがダービーに勝って種牡馬としてイケると思ったからでしたよね。というわけで、最近は新規クラブへの入会は足が遠のいていますが、「種牡馬」をコンセプトにするクラブ、これにはチャレンジしてみたいと思います。意外とゲームチェンジャーになるのかもしれないですね。

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